2016年度シラバス
「自然理解(ビッグ・ヒストリー)」
THE FIRST EVER
BIG HISTORY COURSE IN JAPAN
桜美林大学リベラルアーツ学群
担当:片山博文・宮脇亮介
1. 講義概要
ビッグ・ヒストリー(地球宇宙史)とは、宇宙138億年の歴史を振り返りながら宇宙史における人間の位置を考察し、地球規模の問題に取り組むためのプロジェクトである。ビッグ・ヒストリーは、宇宙・生命・人間の本質や、宇宙における人間の存在の意味を、現在の私たちに利用可能な科学情報を用いながら、138億年の歴史の中で科学的・哲学的・詩的に考察しようとする。
ビッグ・ヒストリー・プロジェクトは豪マッコーリ大学教授のデヴィッド・クリスチャンらがビル・ゲイツの資金援助を受けて取り組んできた新しい教育プログラムであるが、本学における授業は、ビッグ・ヒストリーをテーマとする日本初の授業である。
授業内容は、宇宙の誕生から恒星・銀河・太陽系・地球の形成、地球上の生命の起源と進化、人類の起源と文明の発生、近現代を概観し、近未来の人類を展望する。
学生諸君には、科学的・歴史的知識を身につけることよりも、むしろそうした科学的知識をもとに、宇宙・生命・人間の本質についての自由なイメージを膨らませることを求めたい。そしてビッグ・ヒストリーの壮大なビジョンを、現在のわれわれが直面する地球的諸問題にぜひ適用してみてほしい。
2. 到達目標
(1)世界や自分が存在する意味について、宇宙的視点から考えることができる。
(2)地球的問題を宇宙的視点からとらえ、その解決方法を考えることができる。
3. 授業
第1回(09/20)イントロダクション
第2回(09/27)ビッグバン 宇宙の始まり
第3回(10/04)太陽系と地球の形成
第4回(10/11)生命の出現
第5回(10/18)生命の進化の歴史
第6回(10/25)生命の進化の歴史(続き)
第7回(11/01)特別講義(その1)
第8回(11/08)人類の出現
第9回(11/15)農耕文明の時代
第10回(11/22)近代
第11回(11/29)特別講義(その2)
休講(12/06)
第12回(12/13)アントロポセンの時代
第13回(12/20)地球外生命
第14回(01/17)特別講義(その3)
第15回(01/24)まとめ
*特別講義
(1)本川達雄 氏(東京工業大学名誉教授)「ビッグ・ヒストリーと生物多様性」
(2)山下雅道 氏(JAXA宇宙科学研究所名誉教授)「宇宙農業から考える 地球への人類の爪痕」
(3)佐々木渉 氏(クリプトン・フューチャー・メディア株式会社 初音ミク制作担当)「ビッグヒストリーと情報革命」
4. 桜美林大学ビッグ・ヒストリープロジェクト
本学学生有志は、“Think Cosmically, Act Globally”をスローガンに、自主ゼミ「桜美林大学ビッグ・ヒストリープロジェクト」(Oberlin Big History Project: OBHP)を立ち上げた。そして今年度における活動として、12月にメキシコ・カンクンで開催される生物多様性条約第13回締約国会議(COP13)に参加し、サイドイベントとして「ビッグ・ヒストリーによる生物多様性の主流化」というテーマのプレゼンテーションを実施する(カンクン・ミッション)。最終授業時には、カンクン・ミッションの報告を行う予定である。
OBHPのメンバーは随時募集しますので、興味ある学生はぜひ声をかけてください。
5. テキスト・参考文献
クリスチャン (2015) 『ビッグ・ヒストリー入門』WAVE出版。
海部宣男・星元紀・丸山茂徳編 (2015) 『宇宙生命論』東京大学出版会。
6. 成績評価
毎回授業の最後にリアクションペーパーを提出する。学期末に、授業内容に関するレポートを執筆する。レポートのテーマ:「宇宙におけるあなたの役割について、自身のビジョンを述べなさい。」成績評価は下記のウエイトで評価する。
授業への参加態度: | 10% |
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リアクション・ペーパー: | 45% |
レポート: | 45% |
7. 教員との連絡方法
何かあれば片山までお願いします。
オフィスアワー:
火2・木3、崇貞館B411
Eメール: katayama@obirin.ac.jp