2017年度シラバス
「自然理解(ビッグ・ヒストリー)」
THE FIRST EVER
BIG HISTORY COURSE IN JAPAN
桜美林大学リベラルアーツ学群
担当:片山博文・宮脇亮介
1. 講義概要
ビッグ・ヒストリー(地球宇宙史)とは、宇宙138億年の歴史を振り返りながら宇宙史における人間の位置を考察し、地球規模の問題に取り組むためのプロジェクトである。ビッグ・ヒストリーは、宇宙・生命・人間の本質や、宇宙における人間の存在の意味を、現在の私たちに利用可能な科学情報を用いながら、138億年の歴史の中で科学的・哲学的・詩的に考察しようとする。
授業内容は、宇宙の誕生から恒星・銀河・太陽系・地球の形成、地球上の生命の起源と進化、人類の起源と文明の発生、近現代を概観し、近未来の人類を展望する。
本講義のモットーは"Think Cosmically, Act Globally"である。
学生諸君には、科学的・歴史的知識を身につけることよりも、むしろそうした科学的知識をもとに、宇宙・生命・人間の本質についての自由なイメージを膨らませることを求めたい。そしてビッグ・ヒストリーの壮大なビジョンを、現在のわれわれが直面する地球的諸問題にぜひ適用してみてほしい。
2. 到達目標
(1)世界や自分が存在する意味について、宇宙的視点から考えることができる。
(2)地球的問題を宇宙的視点からとらえ、その解決方法を考えることができる。
火曜日4時限(14:30~16:00)
第1回(09/19)イントロダクション
第2回(09/26)ビッグバン 宇宙の始まり
第3回(10/03)太陽系と地球の形成
第4回(10/10)生命の出現
第5回(10/17)特別講義(1)
第6回(10/24)恐竜
第7回(10/31)人類の出現
第8回(11/07)農業の起源
第9回(11/14)近代
第10回(11/21)特別講義(2)
第11回(11/28)アントロポセンの時代
第12回(12/05)平和と共生を考える+国際交流(A)
第13回(12/12)地球外生命
第14回(12/19)特別講義(3)
第15回(01/16)まとめ+国際交流(B)
* 特別講義
(1)更科功 氏(生物学者)「生命の多様化」
(2)河森正治 氏(アニメ監督)「ビッグ・ヒストリーを生きる多次元的アプローチ」
(3)大野修一 氏(宇宙エレベーター協会会長)「宇宙エレベーターと人類の未来」
* 国際交流イベント
(A)11月には、Symbiosis International University(インド)の学生と意見交換を行う。テーマは"Apply Big History to Problems of Peace and Symbiosis"。特設サイトに英語で意見を書き込もう!
(B)最後の授業では、カメルーンの児童による「ビッグ・ヒストリー紙芝居コンペ」を実施予定。
4. 桜美林大学ビッグ・ヒストリープロジェクト
桜美林大学ビッグ・ヒストリープロジェクト(Oberlin Big History Project: OBHP)は、ビッグ・ヒストリーを現代に適用することをめざす自主ゼミである。
昨年度は、12月にメキシコ・カンクンで開催された生物多様性条約第13回締約国会議(COP13)に参加し、「ビッグ・ヒストリーで生物多様性を主流化する」というテーマのサイドイベントを実施した。
今回、上記の国際交流イベントを組織化し、12/16(土)に開催される「リベラルアーツ・プレゼンテーション・コンテスト(リベコン)」の英語部門に参加する新プロジェクトのメンバーを募集する。
5. テキスト
クリスチャンほか(2016) 『ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか 宇宙開闢から138億年の「人間」史』長沼毅監修、明石書店。
6. 成績評価
毎回授業の最後にリアクションペーパーを提出する。また、学期末に1200字程度のレポートを執筆する。レポートのテーマ:「BH的と考える作品(アート)を1つとりあげ、それがなぜBH的なのかを論じなさい。」成績評価は下記のウエイトで評価する。
授業への参加態度: | 20% |
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リアクション・ペーパー: | 40% |
レポート: | 40% |
7. 教員との連絡方法
何かあれば片山までお願いします。
オフィスアワー: 木4・金2、崇貞館B411
Eメール: katayama@obirin.ac.jp