2018年度シラバス
「自然理解(ビッグヒストリー)」
50th Anniversary of
the Earthrise Photo
桜美林大学リベラルアーツ学群
担当:片山博文・宮脇亮介
1. 講義概要
ビッグヒストリーとは、138億年前に発生したといわれるビッグバンによって宇宙が誕生してから、今日、そして未来までを視野に入れた歴史である。ビッグヒストリーは、宇宙・生命・人間の本質や、宇宙における人間の存在の意味を、現在の私たちに利用可能な科学情報を用いながら、138億年の歴史の中で科学的・哲学的・詩的に考察し、表現しようとする。その意味でビッグヒストリーは、自然科学・社会科学および人文学を統合する極めて学際的な学問・運動であり、それは究極のリベラルアーツとも言える。
本講義では、宇宙の誕生から恒星・銀河・太陽系・地球の形成、地球上の生命の起源と進化、人類の起源と文明の発生、近現代を概観し、近未来の人類を展望する。学生諸君には、科学的・歴史的知識を身につけることよりも、むしろそうした科学的知識をもとに、宇宙・生命・人間の本質について自由にイメージを膨らませ、表現することを求めたい。
本講義のモットーは"Think Cosmically, Act Globally"である。ビッグヒストリーの壮大なビジョンを、現在のわれわれが直面する地球的諸問題に、また自分自身にぜひ適用してみてほしい。
2. 到達目標
(1)世界や自分が存在する意味について、宇宙的視点から考えることができる。
(2)地球的問題を宇宙的視点からとらえ、その解決方法を考えることができる。
片山博文 教授
3. 授業
火曜日4時限(14:30~16:00)
第1回(09/18)イントロダクション
第2回(09/25)ビッグバン 宇宙の始まり
第3回(10/02)太陽系と地球の形成
第4回(10/09)生命の出現
第5回(10/16)生命進化の歴史(1)
第6回(10/23)特別講義(1)
第7回(10/30)生命進化の歴史(2)
第8回(11/06)人類の出現
第9回(11/13)農業の起源
第10回(11/20)特別講義(2)
第11回(11/27)近代化
第12回(12/04)アントロポセンの時代
第13回(12/11)地球外生命
第14回(12/18)特別講義(3)
第15回(01/15)まとめ
* 特別講義
(1)宮原ひろ子 氏(武蔵野美術大学准教授)「宇宙気候学から読み解く地球史」(仮)
(2)奥野克巳 氏(立教大学教授)「森の民プナンから考えるビッグヒストリー:人間的なるものを超えて」(仮)
(3)小松美羽 氏(現代アーティスト)「未来の神話の描き方:宇宙のなかの自分の役割」(仮)
4. テキスト
クリスチャンほか (2016) 『ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか 宇宙開闢から138億年の「人間」史』長沼毅監修、明石書店。
クリスチャンほか監修 (2017) 『ビッグヒストリー大図鑑』㈱オフィス宮崎訳、河出書房新社。
アルバレス (2018) 『ありえない138億年史:宇宙誕生と私たちを結ぶビッグヒストリー』山田美明訳、光文社。
宮脇亮介 教授
5. 成績評価
毎回授業の最後にリアクションペーパーを提出する。
学期末に、1200字程度のレポートを執筆する。レポートのテーマ:「宇宙における人間の存在意義について論じなさい。」
成績評価は下記のウエイトで評価する。
授業への参加態度: | 10% |
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リアクション・ペーパー: | 45% |
レポート: | 45% |
6. その他
連絡は片山までお願いします。
オフィスアワー: 月2・金2、崇貞館B411
Eメール: katayama@obirin.ac.jp
片山は来年度からビッグヒストリーのゼミ(専攻演習)を開講します。よかったらぜひ履修して下さい。